癌が転移をするその前に|仕組みを知って適切な処置をしよう

看護師

声を失わないために

声を再建する方法

PCを操作する看護師

声を失う結果となる原因として特に多いのは、がんの手術で声帯を摘出するケースです。声帯そのものよりも、声帯と隣接する下咽頭部分に発生したがんの手術で声帯も取り除くことが多いのです。咽頭がんには上咽頭と中咽頭・下咽頭に発生する3種類があり、下咽頭はがんの発生率が高いことでも知られています。下咽頭がんの治療は手術による咽頭摘出が第一選択です。この手術で咽頭とともに声帯も摘出され、声を失う結果となるのです。ある著名な歌手も下咽頭がんで声をいったん失いましたが、再建する方法がないわけではありません。人口声帯や食道発声法といった再建方法が選択可能です。食道発声法は取得が難しいと言われていますが、気管食道シャント法という新しい方法では9割の人が声を取り戻しています。気道食道シャント法では、肺と食道を結ぶチューブを手術によって装着します。肺の空気が食道を直接震わせるため、食道発声法よりも楽に声を再建することができるのです。日本ではまだ標準治療として普及しているとは言えませんが、欧米では普及率も高まっています。将来は咽頭摘出手術に伴う声再建の方法として、気管食道シャント法が主流になると予測されます。

声が枯れる症状には要注意

以前よりも声が枯れてきたり、かすれた声しか出なくなったりしたら咽頭がんの可能性があるので注意が必要です。初期状態では自覚症状がないため、嚥下痛・声のかすれといった症状が出る頃には病状が進行している例も少なくないのです。上咽頭がんでは放射線治療と抗がん剤治療が中心となります。中咽頭がんも2期までは放射線治療を主としており、手術は進行がんに限った選択肢です。下咽頭がんでは手術で咽頭を摘出した後、腸の一部を使って中咽と食道とを結びます。下咽頭がんでも早期に発見できれば、放射線治療によって完治も期待できます。臓器のがんと比べて咽頭に発声したがんに対しては、全般に放射線や抗がん剤が効きやすいという特徴があるのです。上咽頭がんでは周辺に視覚や聴覚に関わる重要な神経が集中している関係から、できるだけ手術をせずに治療しています。下咽頭でも嚥下機能や発声機能に支障が出ることが多いため、手術を回避するに越したことはありません。喫煙や飲酒も咽頭がんの発症リスクを高めますので、煙草やお酒を好む人は日頃から注意していた方がいいでしょう。内科で定期的に検査を受けていれば、早期発見につながります。